会長就任にあたって
日本セキュリティ・マネジメント学会 会長
情報セキュリティ大学院大学 教授
原田 要之助
このたび,日本セキュリティマネジメント学会(以下では,JSSM)の第5代会長に就任いたしました情報セキュリティ大学院大学の原田要之助です.JSSMは,本年,発足から30年を迎えることができました.この30年には,ITの進歩が著しく30年前のITに関するアーキテクチャは激変しました.また,インターネットが広世界中の数十億のPCやサーバーなどが接続されるようになりました.このような激変する環境の中で,学会は荒波を活路として,大きく成長してまいりました.これも,ひとえに過去の会長の皆さま,なかでも,東京電機大学の佐々木良一前会長のたぐいまれな指導によるものと思います.30年前には,情報セキュリティマネジメントは一部の専門家の概念でした.30年たった現在では,情報セキュリティが一般の利用者に広がり,情報セキュリティマネジメントは誰にも必要なものとなってきています.今後とも,情報セキュリティの安全な利用を広げていくことが求められており,JSSMへの世の中の期待は大きくなってきています.
会長への就任にあたって学会を次のようにしていきたいと考えております.
(1)今後も拡大するIT社会に役立つ
(2)世の中から期待される情報の発信
(3)会員が活発に活動できる
これらを実現するため,これまで取り組んできた
(a)シンポジウムやワークショップの開催
(b)研究会活動の活性化
(c)学会誌の年2回の発刊
(d)論文の発表機会の拡充と質の向上
を積極的に取り組みたいと思います.
JSSMの研究対象の,インターネット代表されるネットワークセキュリティはこの30年間に大きく変貌しました.一方,情報の持ち出しなどの内部犯行やソーシャルエンジニアリングは,モチベーションも含めあまり変わっていません.このように,変わったものと,変わらないものがあり,これらについて30周年記念事業のなかで棚卸していきたいと考えています.(a)~(d)について,皆さまのご協力のもと,将来を見ながら活動を見直して改善していきたいと思います.そして,将来に向けてJSSMを発展させていきましょう.
以上